金髪21歳会社員、本を書く。
みなさんこんにちは、カイトズズキ（ @k_toooooooo ）です。
ご存知の人も多いかと思いますが、9月20日にHTMLの入門書を出版することになりました。
本当によくわかるHTML&CSSの教科書 はじめての人も、挫折した人も、本格サイトが必ず作れる
1年前までは、まさか読書嫌いな僕が本を書くことになるなんて想像もしていませんでしたし、未だに少し変な感じがします。
今回はこの本を書いた経緯や、執筆を通して感じたことなどを簡単に書いていきたいと思います！
「執筆したことあるよ！」って人、あまり多くはないと思うので、執筆に興味ある人や依頼されて悩んでる人などにとって参考となれば幸いです。
敬語で文章書くのが苦手なので、ここからはフランクな感じで書きます:)
執筆するまでの経緯（2017年8月）
執筆をするきっかけになったのは、去年の8月、突然出版社の人から連絡が来た。Progateのサイトを通して「コンテンツマネージャー 鈴木様」と僕指名で執筆の依頼が来たので非常に驚いた。頭が真っ白になるというか、何が起きてるのかよくわからない、という感じ。
「SBクリエイティブ」というその出版社の名前は聞いたことがあるよう気がした。「SB」とは「ソフトバンク」の略。調べてみるとプログラマにとっては有名な本がいくつも出てきた。「明解Java」「やさしいC」「たのしいRuby」と言ったら表紙が思い浮かぶ人も多いと思う。
数日後、出版社に実際に行って話を聞いてきた。僕は候補のうちの1人でここから執筆オーディションでも始まるのかな、と思っていた。が、実際は「是非依頼したい！」と言われてしまい、つまり僕が「はい」と言えば決定する状況。
嬉しさもあるけど、「なんで俺？」感がすごすぎて、さすがに怖くなった。なにか騙されているのか？と疑ったりした。
考えてみてほしい。何も実績もなければ有名でもない21歳金髪少年が、急に出版社から執筆の依頼を受けるなんていうことがこの日本であり得るのだろうか？いや、あり得てはいけない気すらした。
（後から編集者に「なぜ僕に依頼したのですか？」と聞いたところ、「Progateがとてもわかりやすく、その教材を作ってる人に依頼したいと思って社員紹介ページを見たら鈴木さんが担当してるとわかったから」と依頼した理由を教えてもらった。なんとなく理解できる反面、よく金髪のプロフィール写真の21歳に依頼しようと思ったな、と思った。見た目で人を判断するのは良くないと思ってる派ではあるものの、それでも僕だったらあの生意気そうな金髪に仕事は頼みたくない。我ながらw）
兎にも角にも、依頼を受けるかめちゃめちゃ悩んだ。いざ執筆するとなると非常に大変な未来が待っていることは明白だった。たぶん200ページくらいの文章を書かなきゃいけない。それに僕は人生でほとんど本を読んだことがない。小学生のころから大の読書嫌いだったし、プログラミングの勉強もほとんど参考書などに頼ったことがない（たくさん買ったけど）。
とにかく自身がなかった。確かにProgateのレッスンの多くを僕が作ってきたのは事実だったが、でも本を書くのにその経験がどれほど活きるのかも未知数だった。
しかし、結論を出さなければならない期限のその前日に、ふと思った。「やらずに後悔するくらいなら、やって後悔したい」と。
やらないことは簡単だ。勇気を出して「やりません」と編集者に言うだけで全ての悩みや不安が解決される。でも、必ず後悔する日が来るだろう、と思った。僕の代わりに誰かが執筆して、その本がベストセラーになって、僕は「執筆」という単語を聞くたびに一生後悔するのかもしれない、それは苦痛すぎる、そう思った。だったら今挑戦して苦しんだほうが幸せだ、と思った。
執筆中（2017年9月 ~ 2018年8月）
8月に依頼を承諾して、9月から執筆作業は始まった。まず、編集者が今回の本で扱う大まかな内容を提示してくれたので、それを元に目次を作成した。全部で7章になることが決まったので、1章ずつ、それぞれ2~3週間くらいのペースで書いていった。もちろん平日はProgateの業務があるので、土日や平日の夜にせっせと進めていた。文章を書くだけでなく、題材となるサイトを作成したり、キャプチャ画像を作成したり、想像してた以上に手のかかるストレスフルな作業が待っていた。
作業はだいたいProgateのオフィスで進めていたが、僕は毎日のように「もう嫌じゃ～」と唸りながら作業を進めていた。いや、本当に辞めたい、そう何回、何十回と思った。それぐらい（特に精神的に）辛い作業が多かった。でも、心が折れかけた時、いつもProgateの先輩方は優しく励ましてくれた。毎日頑張れる、何よりもの支えだった。本当にありがとうございました。
当初は2018年3月に出版を予定しており、全体の原稿は予定通り2017年末までに書き終えられた。年末はこれでもかというくらい追い詰められた記憶がある（別件だけどProgateの業務でもいろいろあってかなり疲弊していたので苦しかった）。
諸事情あって出版の日程は少し先延ばしになった。今年の4月くらいから少しずつ編集者による原稿の校正が入り、僕が修正して再提出して、またそれを校正してもらい、という日々が始まった。最初の校正は僕が作成した原文の半分以上が赤くなって返ってきて、さすがに衝撃を受けた。
8月中には全ての原稿が完成し、出版日が決まった。結果的に1年間ものすごく長い戦いになってしまったが、その分出版が決まった時の安堵感は半端ではなかった。
この1年を振り返って
まず、執筆して本当によかった。何回も依頼を受けたことを後悔したけど、でも他では得られない貴重な経験がたくさんできた。1年間ともに仕事をしてくれた編集者のSさんには本当に感謝したい。途中お互いの意思が合わなかったり、僕が期日を守らなかったりでバチバチしたこともあったけど、編集者さんのおかげでなんとか出版までたどり着けた。ありがとうございました。
それからいつもそばで僕を励ましてくれたProgateのメンバーや家族、友達、彼女、みんなのおかげで最後まで諦めずに作業を進めることができた。執筆はとにかく孤独な作業だったので、彼らの存在は本当に支えになった。
最後まで執筆を進められた理由として、僕の中で大きな思いが2つあった。
「やると決めたからにはやりきる」
最初に書いたように、もともと「やらずに後悔するくらいなら、やって後悔したい」と思って始めた挑戦。何度も辞めたいと思ったけど「ここでやめたらやらなかったのと同じ」と自分に言い聞かせて突き進んできた。”Never give up for the win.” 出版という最高の勝利だけは諦めない、そう思って頑張ってよかった（実際は半泣きで弱音を吐きまくる日々だったけどw）。
「プログラミングの楽しさを1人でも多くの人に届けたい」
僕自身は今年の6月末でProgateを退職したけど、でも、この思いはこれから先も変わらないな、と思う。話すと長くなるのでここではあまり書かないけど、自分は自分の人生をプログラミングで変えた。プログラミングと出会ってなければ今の自分はない。この素晴らしいプログラミングとやらを、これからも1人でも多くの人に知ってもらって、楽しんでもらえたらいいな。
最後に
「金髪・21歳・会社員」だった僕も「黒髪・22歳・無職」になった。無職ではないか、一応働いてるし。
執筆は僕の人生を大きく変えた。まだ何も変わってないかもしれないけど、これからの僕の人生を大きく左右する一大イベントだった気がする。
次はもっと大きいことやってやるぞー！
これからも「やって後悔」精神でガンガン突き進みます！
株式会社Progateを卒業しました
タイトルの通り、2018年6月末に約3年間勤めた株式会社Progateを退職しました。
まずはじめに、
- Progateのユーザーさん
- Progateのメンバー
- その他Progateの関係者
- 個人的の僕のことを応援してくれた人
皆さんには本当に感謝しています！ありがとうございました！
今回の決断は、本当に大きいものでした。
この記事を書いている今現在で、退職して1ヶ月が経過しましたが、まだ整理しきれていない部分も多くあります。
そんな状況ではありますが、ひとまず、決断した理由や今考えていることなど、いわゆる「退職エントリ」という形で伝えられたら、と思っています。
しばらく隠してようかな、と思ったのですが、会社公式がツイートしちゃったので（笑）ご報告しますと、本日をもって株式会社Progateを退職しました。
— カイトズズキ✌️✌️ (@k_tooooooooooo) June 30, 2018
まずはProgateユーザーの皆さん、一緒に働いてくれたメンバー、3年間本当にありがとうございました！
落ち着いたら退職エントリ公開します！ pic.twitter.com/V6htqKLoIS
↑ 入社してから3年間、共にProgateを創り上げてきた先輩メンバー達
（左から、南部さん、みっちーさん、まささん、僕、村井さん、翔さん）
目次
- 軽く自己紹介
- Progateでの3年間
- なぜProgateをやめたのか
- やめてから何をしているのか
- 最後に
1. 軽く自己紹介
僕のことを知っていてこの記事を読んでいる人もそうでない人もいるかと思うので、簡単に自己紹介です。
【経歴】
1996年 愛知県豊田市 生まれ
2014年 私立杜若高校 卒業 → 上京
2015年 スタートアップ2社でインターン
株式会社Progate 入社
2018年 東京工業大学 退学
株式会社Progate 退社
Progateには創業期に入社し、それから約3年間働いていました。
大学を退学したのは割と最近ですが、Progateで働いていた3年間はずっと休学していた、という感じです。
Progateにはエンジニアとして入社しました。3年前はほぼ実力皆無でしたが、今では普通のWebエンジニアくらいには成長しました。
また、途中からは「コンテンツマネージャー」という役職で、Progateのレッスン制作をメインで担当してきました。
今年は結果的に、3月に「大学」をやめて、6月に「会社」をやめる、自分にとって大きな決断の多い年となりました（まだ半年しか経ってないけど。次は何をやめるんやろ。）
↑ Progateユーザーの皆さんにサプライズで退職祝いをもらいました！こんな経験、二度とできる気がしません。ありがとうございます！
2. Progateでの3年間
「Progateの3年間で得たものは？」
「どんなところが一番成長した？」
みたいなことを聞かれますが、多すぎて答えるのはとても難しいです。笑
エンジニアとして入社したので、もちろんエンジニアとしては相当成長しました。
「何もわからない伸びしろ無限大の僕」が「なんでもやらないといけないスタートアップ」という環境で死ぬほど成長できたことは明白です。
ただ、それ以上に、人間として成長した3年間だったな、と思ってます。
「へらへらした大学2年生」から「責任を持ってサービスを引っ張っていける人」くらいにはなれたかな、と我ながら思っています。
入社したての頃、先輩方から「当事者意識が足りない」とひたすら言われました。
当時は、「当事者意識ってなんやねん」って思ってました。
よくわからないので、ずっと「自分がProgateの社長だ」って思い込んで働くようにしてました。
結果的に、それが一番成長へ繋がったかな、と思ってます。
でも、普通の大学生がスタートアップで3年間働いて、「エンジニアとして成長した」とか「人間として成長した」とか、割と当たり前ですよね。
（逆に成長してなかったら何してたんって話）
Progateで働いて得たことの中で、これからも大事にしていきたいことは、
- ユーザー一人一人に真摯に向き合う
- 最高のプロダクトを創る
ってことかな、って思います。
この2つはProgate社の「行動理念」です（現在は異なる文言に変わりました）。
サービスを作ってる人間として、すごく当たり前に大事なことだと思ってます。
でもこの2つをちゃんとやることが、すごく難しい、そう感じる日々でした。
Progateに入社したとき、他の先輩メンバーと比べて自分は無力に感じたし、「働く」ということに対しても相当意識が低かったな、と思ってます。
周りの先輩達に認めてもらいたくて、ひたすら一生懸命に目の前の仕事を取り組んでいるつもりでした。
でもそれではなかなか伸び悩むことも多くて。
スタートアップで頑張る目的として、「会社を成長させたい」とか「個人として成長したい」とか「認められたい」とか「お金ほしい」とか「モテたい」とか、いろいろあって、どれもすごく大事なことでいいと思うんですけど、
でも僕は自分が頑張る目的が、ふと気づいたときには「ユーザーに最高のプロダクトを提供したい」になっていて、それが一番自分が変われた瞬間だったな、と思ってます。
他にもいろいろ思い出はあって、いろいろ書きたいんですけど、それはそれで難しいので、これくらいにしておきます。いくらでも語るので、興味あるかたは飲みにでも行きましょう。
↑ 同じタイミングに退職したデザイナーの澪ちゃんと（退職祝いでメンバーから似顔絵Tシャツをもらいました）
3. なぜProgateをやめたのか
僕は本当にProgateのことが好きだったし、今でもその気持ちに変わりはありません。
会社としてはサービスが順調に伸びてきて、これから世界に羽ばたいていこうとする、まさにイケイケな時期です。
でも、個人として新たに挑戦したい、という気持ちが強くて、止められませんでした。
Progateに「飽きた」とか「満足した」とかそういう訳ではないのですが、まだ見ぬ世界に突っ込んで、挑戦して、失敗したいな、という感じです。
「失敗したい」の部分が一番大きかったですね。やめる前、ある人に「もっと失敗しろよ」と言われて、確かに最近失敗してないな、と思って。完璧主義で、保守的で、ビビりな自分をぶっ壊して、大きく失敗しまくって、でもいつか結果を残したいな、そんな気持ちに突き動かされたような感じです。
こうやって書くと、すごいノリで決めた、みたいに見えますが、一応ちゃんと考えはしました。笑
4. やめてから何をしているのか
スタートアップに長く関わってた人間が、「挑戦したくて会社やめました！」って言ったら、「起業するんかな？」って真っ先に思われるかと思います。この1ヶ月で100万回くらい聞かれました。
結論から言うと、起業しようと思ってます。
4年前、Progateの創業者のまささんと村井さんが2人でProgateを作っている姿を間近で見て、その時から「いつか自分でサービスを作りたい」と思っていました。そして、いつかは自分も会社を立ち上げて、まささんのようになりたい、と思いながらProgateで働いていました。
いつか、いつか、と思っていましたが、「もうやるしかない」、そう思ってます。
サービス内容やメンバーなどはまだ決まっていません。これから少しづつ考えていくといった状態です。
ただ現状としては、以下の理由からフリーランスエンジニアとして活動しています。
- お世話になった人に恩返しがしたい
- Progate以外の環境も見てみたい（視野を広げたい）
- お金がない
1. に関しては、自分がこの業界に入って約4年間、本当にいろんな人にお世話になりました。ただ自分がProgateに集中しすぎてこれまで何もできなかったので、少しでもスタートアップ界隈の人に還元したいな、という思いです。
2. に関しては、ずっとProgateだけで働いていたので、シンプルに「井の外」を見てみたい、という気持ちです。起業して走り出したらできないことだと思うので、今のうちに自由にいろんなことを経験してみたいな、と。
3. に関しては、そのままです（笑）。普通に生きてくくらいはありますが、多少は貯めておきたいな、みたいな。運転免許の合宿とか行きたいし。引っ越ししたいし。
最近は少しづつ生活も落ち着いてきたので、なにか手伝えることなどあれば気軽にご連絡ください。
↑ 最後に参加した月次キックオフ会の写真。真ん中で白T・黒パン・くるくるパーマの鈴木コンビ。
5. 最後に
最後まで読んでくださり、ありがとうございました。全然思考が整理されていない & 文章力ゼロの拙い文章で、しかも特にオチのない感じで大変申し訳ないです。。。
とにかく、これからも自分を信じて、強く生きていきます！
最後に、4つほどお知らせをして終わりにします。
お知らせ ①
最近、「カイトメシ！」という、「カイトズズキとご飯に行けるサービス」を公開しました。すでに30人くらいの方とランチや飲みに行きました！
まだ一応続けているので、興味ある方は覗いてみてください！
ちなみに技術的には React と Firebase を使ってます。ワールドカップ観ながら10時間くらいでサクッと作りました。
お知らせ ②
これからしばらくフリーランスで活動していくのですが、思い切ってフリーランスになるのって意外と不安なこと多くない？って思ったので、自分が体験したことや感じたことを、このブログにたらたらと書いていこうと思ってます。
フリーランスとか興味ある人は是非読んでみてください。随時Twitterでシェアする予定です。
お知らせ ③
だいぶ前から「HTMLの入門書を執筆してるよ」って言ってましたが、そろそろ終わりそうです。8月末 ~ 9月あたりで出版予定です。お楽しみに！
お知らせ ④
退職エントリお決まりの「ウィッシュリスト」を一応公開しておきます。
あんまり種類ないですが、、、いざ「ほしいもの何？」って聞かれると困るタイプです、、、
よろしくお願いいたします！
ではでは、今後もよろしくお願いいたします。
おわり
